
文系大学を卒業後、アプリSEとして2年間勤務。幼い頃から絵を描くことを楽しんだり、ショップカードを集めたり、デザインに興味を持っていた。社内では資料作成やパワーポイントの装飾を考えるのが好きで、楽しみながら取り組んでいた。将来のキャリアを考えたとき、より意欲的に取り組める仕事をしたいと感じ、Webデザインの勉強を始める。趣味はカメラで、高校生の頃から続けている。
今回取材するのは、岡澤さんの整体サロンのサイト。クライアントのサロン経営者の方とは社会人のバドミントンサークルで知り合ったそう。サロンを開業してからWebサイトを持っていなかったことを知り、新規サイトを作ることになったという。
まず出会いがステキ〜✨️
サイトを制作するにあたり意識したこと、こだわったこと
まずは、サロンのイメージを表現できるように意識しました。ヒアリングの内容や、実際に足を運んでサロンを見た印象から、特に信頼感や落ち着いた印象がキーポイントになると感じました。
ヒアリングを通して知ったのですが、女性で整体師の資格を持っている方は珍しいんだそうです。また、お客様は40代以上の方が多く、リピート率が高いことがサロンの特徴でした。そういったことから技術面でも信頼のおける、落ち着いた雰囲気であることを伝えられるようなサイトを作ろうと考えました。
もう一点は一体感を出すということです。元々使われていたロゴをいただいたので、配色はそこから広げたり、店内のカーテンに使われている色を採用したりしました。英字フォントもロゴに使用されているものと印象が近いものを探したりと、一体感を出せるように努力しました。
岡澤さんの言うように、柔らかい雰囲気の中にも信頼感を感じられる印象を受けた。配色はロゴに使われている青と黄色をベースに、爽やかな印象だ。それにしても店内のカーテンに使われている色を取り入れるという視点はおもしろい。デザインの工程ではパソコンに向き合うことが多いが、少し視野を広げることで様々なヒントがあるのだと参考になった。それができるのは「サロンのイメージを表現する」というゴールを明確に意識していた証拠だろう。
まさに、サロンの雰囲気をそのまま感じさせるサイトで素敵です
では、デザインで特にこだわったポイントはどこだろうか?
一番はファーストビューのレイアウトです。サイトに訪問して最初に目に入る部分なのでありがちなレイアウトにはしたくなかったんです。参考サイトをたくさん見て、いろんなパターンを作ってみて今のレイアウトを採用しました。
また、ファーストビューに入れているキャッチコピーも、最初いただいていたものは今と違う表現でした。その文言よりもInstagramで使われていた「今の元気が、未来の健康」というキャッチコピーの方がよりサロンの印象に合っていると思ったので提案しました。
客観的に見てより良い方を提案する力、デザイナーに必要なことですね👏

上の写真はファーストビューのレイアウトを試行錯誤していたという作業画面の一部。レイアウトやフォントなど何パターンも試し、一番サロンの雰囲気を表現できるものを採用したという。細かい部分まで悩み抜いて完成したファーストビューは、信頼感と清潔感を感じるスッキリとしたレイアウトになっている。また、岡澤さんが提案したキャッチコピーも前向きで、サイト全体を通して感じられる明るさや爽やかさとマッチしている。
ところで、今回岡澤さんは写真撮影も行われたのだとか。大変なことはあったのだろうか?
サロンがマンションの一室にあり、自然光をどう取り入れるのかと言う点は苦労しました。午前中の日が入りやすい時間帯に撮影させていただき、天気もよかったので良い写真が撮れたのではないかなと思います。撮影自体に関しては、参考サイトをベースに構図や撮り方を考えて撮影したのですが、そこまで苦労することはなかったと思います。日頃趣味で撮っていたことが役に立ちました。
写真には光が大切なんですね!!
カメラを始めたきっかけは高校生の時、たまたま父からカメラを譲り受けたことだったそう。長年続けていた趣味が制作に活きることはとても素敵なことだ。
Web制作の業界では様々なスキルが求められるが、カメラの技術は今後の就職活動でもきっと役立つだろう。
写真もご自身で撮られていたとは…!
苦労したことと成長したこと
やはりコーディングには苦戦しました。今までデザインする時はコーディングのことを考えて、複雑にならないようにデザインを作っていたんです。なのでここにきていろいろ調べながらコーディングを進めることになり、大変でした。
特にPCからスマートフォンまでの中間サイズに苦戦したので、これからはレスポンシブを考慮したデザイン・コーディングができるようになりたいです。

特に岡澤さんが苦戦したというセクション。画面幅が狭くなると写真の枚数が変わる。レイアウトにこだわってデザインした分、レスポンシブコーディングで悩む部分が多かっただろう。実際デザインしてみると、レスポンシブまで気が回らずコーディングの時に悩む気持ちにはとても共感する。自身も気を付けていきたいポイントだ。
では成長したことはなんだろうか?
一人でやり切る経験ができたことだと思います。今までの仕事はチームで進めていくことがほとんどでした。仕事の割り振りは先輩が、案件全体の調整やお客様との調整は上司が進めてくれていたのですが、個人制作ではそういったことも含めて全て自分でやるので、一人で進める力がついたんじゃないかと思います。
個人制作では、クライアントとの調整など勉強になりますよね!
デザインの楽しさと今後の目標
個人制作と並行してデザインジムも受講されていた岡澤さん。デザインのどのような部分に魅力を感じているのだろうか?
改めて言われると難しいですね…
どの工程も楽しいですが、強いて言うなら情報設計やコンセプトを考える工程が特に楽しいです。大変だけど一番ワクワクしているような気がします。ヒアリングでお客様から聞いた内容をまとめて、雰囲気に近いサイトをたくさん探して、ふくらんだイメージを言語化し整理する。どんな表現やデザインが最適なのか考え抜いて、形になっていくところにやりがいを感じています。
この工程がしっかりできていれば、その後のデザインで悩むことはほとんどないんです、と岡澤さんは続けた。情報設計の大切さは授業やチーム制作でもひしひしと感じたが、実際かなり難しい部分だと感じた。その工程を楽しみながら、クライアントの想いに寄り添った岡澤さんだからこそ、この素敵なサイトを作り上げることができたのだろう。
情報設計楽しいですよね♪デザインする上でとっても大切な部分。
岡澤さんは現在、転職活動に向けてポートフォリオを作成しているそうだ。今後の目標を聞いてみた。
まずは就職することです。制作会社に入って様々なデザインを作れる機会があるところがいいと思っています。デザインジムでグラフィックの勉強もしたので、Webだけではなくグラフィックのデザインにも挑戦してみたいです。
Webもグラフィックデザインもできるのは強いですね!
今回のインタビュー中、岡澤さんは楽しそうにデザインのお話しを聞かせてくれた。「作業スピードが遅いんです」と話していたが、それは細かいところまで気を配り、こだわることができる証拠だ。ポートフォリオを完成させたら、転職活動を始めるという。岡澤さんの目標が達成されることを望むばかりだ。
岡澤さん、ありがとうございました!