フリーランスの先輩から学ぶ!
「ネット上の恥はかき捨て」
- お名前
- アシダ
- 職種
- フリーランスWebデザイナー
- 業界歴
- 4年
- Xアカウント
- @ashida0222
- 動物占い
- コアラ
Webスクール「クリエイターズファクトリー(CF)」でメンターを務めるアシダさん。CFでスクール運営に携わる一方、自身がフリーランスWebデザイナーとして活躍され、制作会社やメーカーなど複数企業から定期案件を受けている。仕事はWebサイトのデザインやコーディング、グラフィックデザイン、動画編集など幅広い内容だ。前職は全くの異業種で働かれていたというアシダさん。今回は身近なフリーランスの先輩であるアシダさんに、お仕事事情をいろいろと聞いてみた。
アシダさん、かわいい😊
業界に入ったきっかけとフリーになった経緯
Webデザイナーになる前は外資系ホテル内でウェディングスタイリストをバリバリされていたというアシダさん。長年勤めた会社を辞めてキャリアチェンジしようと思ったきっかけは何だったのだろうか。
ちょうど10年という区切りで、やり切った感じがありました。ウェディングのお仕事は楽しかったのですが、ずっとやってるとその箱の中のできごとしか世界がないというか…普通の人からすると結婚式は非日常だと思いますが、私にはそれが日常になってしまって。だから次はもっと日常に関わるような仕事をしたいと考えました。
Webデザイナーに興味を持ったのは、プランナー時代にウェルムボードや招待状を作ったりと、少しデザインに触れる機会があったからです。他の人にデザインを頼んだときに、思ってたのと違うのが出来上がって、自分ならもっとこうするなって思ったり。ミーハーな気持ちもあったとは思います(笑)
「非日常」が「日常」になってしまい、「日常」のことに関わりたいというのは、逆説的だけど、なんだか本質を突いているように感じた。インハウスデザイナーを退職後、フリーになった理由を、アシダさんは「なんとなく」とおっしゃっていたが、そもそも仕事がないとフリーランスを続けるのは難しい。現在も複数の案件を抱え仕事をこなされているアシダさんは、フリーになって一体どのように仕事を獲得したのだろうか。
ウェディング業界にいたときに、メイクさんとかカメラマンさんとか、けっこうフリーランスの方が多くて、そういう人たちを見てたから、自分がフリーになる抵抗はあまりなかったです。会社を辞めてすぐ、CFの先生に「フリーになったのでアシダ空いてますよ?笑(=手伝えることありませんか?)」って声をかけました。少ししか関わりのなかった先生にも構わず連絡したり。
そうすると周りに声をかけてくださる方が次第に増えていって、このままやってみようかなって。フリーランスになろうと思ってなったというより、自然の流れで、転職する機会を逃した感じです。
ちなみに退職後にフレキシブルに働けるアルバイトを探して、探偵アシスタントを少しだけしていたこともあります!もちろん面接で「Web担当もできます」とちゃんと売り込みました笑(これ以上は言えない)
探偵アシスタント!?気になるな、、、
自分から主体的に動く、行動力がすごいです。
そんな風に周りに声をかけられるのも、才能の一つだろう。それにもし仕事ぶりが悪かったなら、次に繋げることは難しかったと思う。仕事を頼んでくれる人が増えたのもアシダさん自身の頑張りがあったからに違いない。
アシダさんといえば、「旅の恥はかき捨て」ならぬ、「ネット上の恥はかき捨て」という名言の生みの親だ。なんとX(旧Twitter)で繋がった人からお仕事をいただいたこともあるそうで、どのような経緯で引き受けることになったのか。
Xを始めて半年くらいで、DMから声をかけていただきました。なんで私に?って思ったんですけど、「文章を見た感じ最後までやってくれると感じた」と言ってくれて。その他にも、企業からポートフォリオ経由で仕事依頼がきたこともあります。
勉強中や経験の浅い人って、業界の猛者たちにXで積極的に絡みに行くのって躊躇してしまうと思うんですよ。でも、対面じゃないんだから、もうそんなこと気にせずやろうと思って。当時はまだ勉強中の身でしたがXで有名な人の発言にコメントしたり、リプライやリアクションしたりしてました。たまにイベントに参加したりも。今は以前と比べそういう人も増えましたが、当時は珍しかったのか、X上で私のことを知ってくれる人もいました。
私もこないだ面接した企業の代表さんがCF=アシダさんいるよね、てなってました(笑)
未経験だからとか、新人だからとかではなく、ネット上のことなんだから構わず発信すればいい。わかってはいるけど、実際それができない人の方が大多数だ。だからよく発信する人(もちろん内容にもよるが)というのは自然と注目されてるし、有名になっている。Xからスカウトされて仕事が決まったという話も最近よく目にする。
「積極的に発信できる人」ってそれだけ特別で、周りと差別化されている。それは個人にも言えるが、企業でもそうだ。頻繁に世に発信している企業や所属デザイナーさんは内部のことがオープンで、認知度も上がる。
「発信力」はこのご時世、重宝される能力の一つだ。逆に言えば、未経験でもそういったことができる人は、ある種仕事へ繋がる可能性がぐんと上がるわけだ。アシダさんはそれができていたから、フリーランスとしてすぐ活躍できたのだろう。仕事辞めてすぐ先生にDMしたこともそうだけど、行動力がすごすぎる。
周りの目を気にしたり、どう思われるかとか関係ない。「ネット上の恥はかき捨て」という言葉、Webデザイナーを目指す者として心に留めておきたい。
業界に入って苦労したこと
苦労は多かったですね〜。最初の会社は教育体制が整っている場所ではなかったですし、フリーランスになってからも、クライアントから懇切丁寧に依頼内容の指示があるわけではないので、事業理解から始めないといけない。
たとえば「商品ページを作ってください」だけ来たとしても、その商品が何なのか、ターゲットは誰なのか、情報が何もわからないんですよね。まず汲み取るところから始めて、時には「その方法よりも…」と提案することも。
デザインのお仕事に関しても「OKの部分はスルー」で「修正箇所のみ指摘が入る」ということもあります。スクールだと「できてる部分は褒めてもらえる文化」があるので、そのギャップもあるだろうな〜と感じました。
デザインする力だけではなく、コミュニケーション能力って本当に大事ですね。
相手からすると当然のことでも、こちらからするとわからないことも多い。全てのクライアント様がわかりやすく指示してくれるわけではない。断片的な情報を組み立て、自分で必要なことを補わないといけない。
そう考えると、デザイン力以外のコミュニケーションや汲み取り力といったところも、大切になってくる。当たり前だけどデザイナーってデザインだけしてるわけではない、と改めて考えさせられた。幅広い仕事をこなすフリーランスならなおさらのことだろう。
フリーランスに向いてる人・フリーランスのメリット
向いてる人…同時並行にいろいろできる人でしょうか。案件が詰まってきたときに、わーっとテンパらない人。仕事って自分さえよければ進められるわけではないんです。ここのデザイン進めたいけど、各所の確認待ちとかあるわけで。それ外にも請求書作成や税金関係など…。
ウェディング時代も、実は数十組を並行して担当するので同じような仕事の進め方をしてました。招待状をチェックしてもらってる間に別の打ち合わせ進めたりとか、出勤時間を打ち合わせに合わせたり。
フリーランスのいいところは、仕事の合間に歯医者に行けることです(笑)歯医者って結構定期的に行かされるじゃないですか。調整さえできたら中抜けできるので、自由に時間割を組むような働き方が、自分に向いているのかも。(※ただし太ります)
歯医者もまつエクも行けますね!
フリーランスなれるかは計画性を持って仕事に取り組める人ではないと、
難しいのですね
フリーランスは一つの案件を集中して進められるわけではない。会社員より仕事のジャンルが多岐に渡ることが多いし、同じ人から仕事をもらってるわけでもないから、個人の仕事量を考慮してくれるわけでもない。そこを自分でスケジューリングしていかなければならない。
それができない人は、気づけばずっと仕事してるなんてことにもなりそう。上手く休みを取って、仕事と休みのバランスが取れることが大事だと感じた。
私は今勉強中の方には、いきなりフリーランスを目指すのではなく、まずは就職することを勧めたいです。制作会社か、部門が確立してる事業会社のデザイン部でもいいですが、会社で体系的に現場の流れを知る方がいいと思います。やっぱり会社の後ろ盾ってすごくありがたくて、頑張らなきゃとか、チームで乗り越えることで自信がつくというか。強制的に手を動かす環境もあります。
実際フリーランスになったとき、環境やそれを作ってくれていた人に感謝の気持ちが生まれます。
フリーランスになったとき、独りよがりにならず「良い人」になれる気がします。それにフリーランスはやろうと思えばいつでもやれます。
ここ数年「フリーランス」という言葉ばかりが先行して、憧れを抱いている人も多いと思う。しかし、未経験でいきなりフリーランスになって成功できる人はかなりの少数派だと感じた。(※フリーランスの定義が広いが、ここでは継続的にお仕事を受けて食べていける人とする)
結局のところ、フリーランスできちんとやっていける人って、会社員でもできる人なんだと思う。その逆で、会社員からフリーランスになるのは、そう簡単なことではないのではないか。会社の名を背負わず、自分ひとりを看板として生きていくのは、想像以上に大変だから。
アシダさんは「現状維持は衰退」という言葉は本当だという。現状維持のためには実はちょっとずつ上がらないといけないと感じてるそうだ。アシダさんのように自ら考えて積極的行動し、自己管理できることがフリーランスに必要な力なのだろう。
アシダさん、ありがとうございました!