この道23年のデザイナーに聞く!
業界の遷移と転職成功者の共通点
- お名前
- 久保誠二(クボセイジ)
- 職種
- アートディレクター・デザイナー/CFデザインメンター
- 業界歴
- 23年
- Xアカウント
- @st_kubo
- 動物占い
- ペガサス
Webスクール「クリエイターズファクトリー(CF)」のデザインメンターで真っ先に思い浮かぶのがこの方、久保誠二さん。制作会社で現役デザイナーとして活躍する傍ら、CFではデザインGYMで週1フィードバック授業を行うほか、月に1回全体向けのデザインワークショップを開催。
プライベートでは二児の父。趣味は野球・ソフトボール・ゴルフ・ロードバイクとバラエティに富んでいる。
久保さんといえば、公私関わらず常に手を動かして作品を生み続け、自身もコンペや賞に挑戦するデザインモンスターである。今回はそんな久保さんに、業界や転職成功者の共通点について聞いてみた。
ワークショップ「クボメソッド」、いつも楽しく参加させてもらってます。
ベテランデザイナーが考える、この仕事の楽しいところ
やってて嬉しいのは、やっぱり周りから褒められたときですね。僕は完全に褒められて育つタイプです。承認欲求は強い方かも(笑)
お客さまから「去年の2倍反響があったよ」なんて、自分のデザインで売上や集客の成果が出たときは一層やりがいを感じます。
デザインの楽しいところは、少しずつアイディアを積み重ねて、カタチが見え始めたとき。最初は苦しみながらも試行錯誤していくうちにピタッと当てはまる瞬間は、アドレナリンが出ますね!
久保さんはデザインとは無縁の専門学校に通っていたという。デザインの世界に入ったのは、「なんかかっこいい」「モテそう」という理由だったそうだ。きっかけは単純なものだったとしても、普段の久保さんのデザインに対する素晴らしい情熱は、こういった周りの評判あってのことかもしれない。
久保さんが業界に入った理由が意外。実際モテたか気になりますね(笑)
最初は苦しいけど完成したときアドレナリンが出るのはわかる気がする!
デザインモンスターの久保さんでも、今だに「デザインってどうやるんだっけ?」と悩むことも多々あるとか。歴の長い上手なデザイナーさんは、センスと経験でパパっと作り上げるのを想像していたが、実際は泥臭くあれこれと試行錯誤しながら完成させるらしい。そんな姿に親近感を覚えつつ、「久保さんのようなベテランでも悩むんだ…」とある意味救われる部分があった。
そんな久保さんに、新人時代に苦労したことを聞いてみた。
今では考えられない新人時代のお話
僕が業界に入った20数年前はどこも本当にブラックでした。
とにかく拘束時間が長くて、5時の始発で帰って11時に出勤するなんてこともありました。OKがなかなか出なかったというのもあるけど、当時は便利なデザインツールもなくて、制作工程に時間がかかりました。たとえば、ざらっとした質感ひとつ作るにも、今だと簡単に自分で作ったり素材サイトからダウンロードできるけど、そのときはわざわざインテリアショップなどに生地を買いに行って、それをスキャンしたりとか。
今の時代はデザインが勉強しやすい環境が整っているのはありがたすぎる。
素材集めが大変すぎる!気軽にテクスチャいれてみよ~とかできないですね…。
なんと!そんなに手間をかけていたとは…。今の時代がどれだけ恵まれているかがわかった。
久保さんの新人時代、周りのデザイナーは美大や芸大出身の人ばかりだったという。そう考えると今の時代は、情報が誰でも手に入りやすく、便利なツールやサイトも充実してる。昔に比べると未経験でも業界に入りやすくはなったのだろう。その分情報量も増えたけど、デザインに対するハードルは確実に下がったといえるのではないか。
めちゃくちゃいい写真だあ~
久保さんが思う、転職を成功させる人とは?
デザインが好きで、手を動かしまくってる人。Xなんかでもたまに毎日制作物を投稿してる人を見かけますが、共通してるのは、デザインが好きなんやろなと思わせる「物量、細やかさ」と、「とりあえずやってみる精神」があるということではないかと。デザインが好きな人は、自分でどんどん手を動かすから制作物も増えるし、自然と上達してるように思います。そういう人は、すぐ転職できるだろうなって感じます。
経験値が大切ということですね!
考えるよりやってみろ!🔥
「デザインが好き」とただ口でいうのは簡単だけど、ちゃんと行動で示せていることが大事ということだ。
そういう意味では、デザインは「制作物」という目に見える形で努力が表せるから、やったもん勝ちではないだろうか。そして、久保さんが回答してくれたことは、まさに久保さん自身のことを表していると感じた。
CFで教えることになったのも、元は人前で話すことが苦手で、それを克服するためでもあったそう。自分の苦手分野に飛び込む姿は、まさしく「なんでもやってみる精神」から来てるのではないだろうか。
私たちにデザインを教える一方で、自らも勉強をやめず、デザイナーとして走り続ける久保さん。デザイナーの模範として見習うべき存在だ。
久保さん、ありがとうございました!