教えて!センパイビュー
講師 森下さん

誰にでも必ず得意分野がある!
フォントとお弁当の意外な繋がり

お弁当の写真
森下先生の写真
お名前
森下智香子(モリシタチカコ)
職種
Webサイト制作・保守管理/印刷物制作/デザイン講師/食のワークショップ・出店
業界歴
13年
Xアカウント
@cmor717
動物占い
コアラ

Webスクール「クリエイターズファクトリー(CF)」でデザイン講師を務める森下先生。優しい口調ながらも的確で鋭いフィードバックには毎回頭が下がる。森下先生といえば、細かい違和感に気づくのに長けており、ことフォントに関しては見ただけでだいたい何のフォントかわかるというほどの愛好家だ。「森下先生=フォント」のイメージはすっかり定着し、フォントのことならまず森下先生を頼れば間違いない。

また、Webの仕事以外にも体にやさしい手作り弁当(通称もり弁)の出店をしたり、みそ作りなどの食のワークショップを開催したり、マルチに活躍されている。今回は森下先生のフォント愛のルーツとその他の活動なんかもいろいろ聞いてみた。

いつも張本君を褒めてるイメージ

講師をやろうと思ったきっかけ・やりがい

広告会社勤務のとき、後輩に教える機会がよくあって、人に説明するのが楽しいと感じてました。一人でもくもく作業してるより、誰かと一緒にする方が楽しみが倍になるというか。
次に転職した会社では逆に一番下になったんですけど、先輩たちは忙しくて教える余裕がなくて。どちらかというと口下手で言葉数が少ないタイプで、どこを直したらいいのか、意図が理解できずに悩んでいました。そのときに、自分ができてるわけではないけど、「こう言えばいいのに」と思うことが多かったんです。仕事も小さいものから任せるとか、段階を踏んで教えるような体制が整ってなくて、モヤモヤしてました。それで教える側に興味を持ったのかもしれません。

自分がしてもらえなかったことを人にできるってすごい。より良い時代を作ってる人だ。

上からの指示が理解できないのは辛い。「自分ならこう教える」と思う気持ち、わかるかもしれない。この記事のライターである私も昔、話がわかりづらい先生の授業が苦痛すぎて、どうやったら伝わる話し方になるか勝手に話を添削していたことがある。自分が人に教えるときはわかりやすく教えたいなと思い、教職に就いた。「モヤモヤ」には生きるヒントが隠されているのだろうか。
教える側に回った森下先生に、講師業のやりがいを聞いてみた。

やっててよかったことは、卒業した人が会いに来てくれたり、いろんな繋がりができるところです。たとえば元受講生さんでヨガインスタラクターをしている人がいるんですけど、その人の元へ今も通ったりとか。Webデザイナーにならなくても、たくさんの職種の方と接する機会があって楽しいですよね。それと、みんな前向きに勉強をがんばっているのでパワーをもらえます

僕もCFに入ってからたくさんの人と繋がりができました!

スクールはたくさんの業種の生徒さんが集まるから、人の輪が広がりそうだ。CFに通っている人は本当に前向きにがんばっている方も多く、私も日々刺激をもらっている。

フォントが好きな森下先生。そのルーツとは

冒頭でも述べた通り、森下先生といえば自他共に認めるフォントマニアだ。たまに街で見かける変わったフォントを写真に撮って収集したり、フォント関連のイベントにもよく出席されている。森下先生のフォント好きのルーツはどこからきたのだろう。

某SNSで「そのフォントは~」って生徒にリプライ送ってるの何度か見かけました(笑)

子どもの頃から粗探しというか、人が気づかないような細かい違いにわりと気づいていたなと。フォントを特に意識するようになったのはここ数年でしょうか。私はイラストが得意でもないし、ビジュアルが強いデザインを作れるわけでもない。
自分の強みを考えたとき、そういや小学生の頃とか、教科書のフォントが変わったらすぐ気づいたりしてたなって。文字の違いに敏感ということが強みじゃないかと。それなら文字ソムリエになって種類とかより詳しくなろうと考えました。

森下先生のお母様は美術系の学部出身で、スーパーのポップをデザインされていたという。家にポップの練習ドリルやレタリングの本があり、それを見て育ったとか。教科書のフォントが変わったことを気づく小学生とは、たしかにちょっと変わっているかも(笑)

フォントが好きだと気づいたら、もっと好きになっていきました。自分の中に答えがあったんですよね。それで、細かい違和感に気づけるデザイナーを目指そうと考えました。縁の下の力持ちというか。あんまりデザイナーにいないタイプかもしれません。
たとえば、本だと表紙のとことか、お菓子のパッケージだと表側にみんな目がいくじゃないですか。でも、私は本だったら巻末の奥付とか、パッケージだったらカロリー表のところとかが好きなんです。意外とそこが好きなデザイナーさんは少ないと気づいた。じゃあ、表側をやってくれる仲間を探して、自分は裏側をやればいい。いい意味で諦められたんです。それまで苦手なところもやらなきゃいけないと思ってたから

私もその観察眼身につけたい…「イワカンニスグキヅ~ク」っていう飲み薬売ってないかな。

みんなの目がいかないところも、手を抜かずにデザインすることで目がいくところ
の完成度が上がるのかな。

自分の強みって自分の中では当たり前すぎて見つけるのが難しいかもしれない。無理していることや、苦痛であることを続けるのは辛いだけだ。あれこれ試した結果、自分を活かせる分野を見つけて輝けるのであれば、それが最適ではないか。それは諦めたというより、考えた結果だからである。

味噌づくりワークショップを開催する森下先生

手作り弁当を出店している理由

冒頭でも述べた通り、森下先生は手作り弁当の出店や味噌作りワークショップ、家庭菜園など幅広く手掛けられているが、その理由を聞いてみた。

会社員時代、同僚3人でお弁当作る日を分担していました。◯◯さんはお肉が好きで、◯◯さんは野菜多めだなとか。卵に顔を書いてくれたりして。そのときお弁当の楽しさや、誰かのために作るという喜びも感じました。今も使っている「もり弁」というワードもそこで出てきましたね。
自分1人のものを作るより、責任が生まれてやる気が出るんですよ。食事を適当に済ましてしまうのも避けられます。
家庭菜園や漬物を作っているのも、フォントが好きなのと似ているかもしれません。原材料に興味があるタイプなんです。食品を購入すると必ず原材料をチェックするし、そこをつきつめていくと、自然と畑にいきつく(笑)

フォントもお弁当も家庭菜園も細かい作業が共通し、森下先生の「好き」で繋がっていた。
お弁当って1人分を作る方が難しいし、他の人が作ってくれるおかずや詰め方も参考になりそう。人を巻き込むと責任感が生まれるのもわかる。相手にしてあげてるように見えて、結局それは自分のためでもある。

月イチで出店されてるもり弁。メインビジュアルのような健康的でおいしいお弁当

もり弁食べてみたいなぁ

森下先生が思う、転職を成功させる人

逆に聞きたいんですけど、転職の成功ってなんだと思いますか?

転職の成功…自己実現でしょうか?

成功の定義って難しいですが、自分がやりたいこと、好きなこと、できることがわかってて、バランスがとれている人、俯瞰で認識できている人は、思った結果にいきやすいんじゃないでしょうか。苦じゃなくできてしまうことが絶対みんなあると思うんです。でも、それを見つけるには、いろんな会社を経験し、壁にぶちあたって初めてわかる部分もあるんじゃないかと。「成功」や「失敗」はないよと伝えたいです。
ある小説家の人が、本当にやりたい仕事に就くには二回は転職するものだと言ってました。一回でできるものではないから、長い目で見てステップアップしていけばいい。その都度、目標を見直して、更新していくのもいいですね。もし立ち止まって悩んでる人がいれば、とにかく動くのも大事です。

自分にはどんな会社があってるとか、何が向いてるとか、ついつい立ち止まって考えてしまいがちだけど、実際は、動くからこそ見えてくる。たくさんの人と関わって、いろんな経験をするから「これは好き」「これは許せる」という価値観ができあがっていく。
未経験から業界に入る場合、ご縁をいただいたなら、会社との相性をぐるぐる考える前に、一度飛び込んでみるのもありだ。もし違うと思っても、他を探せばいい。経験を得られたのなら、失敗とはいわない。そう思わせてくれた。

森下先生、ありがとうございました!

この記事を書いた人

シロクマ
SHIROKUMA
クリエイターズファクトリー35期生。ガリ勉部部長、大体顔見知り。
お好み焼きとシロクマが好き。Webデザイナー目指して転職活動中。

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