教えて!センパイビュー
20期/32期 大槇さん

「大切なのはアピールすること」
挑戦し続ける動画編集者

お名前
大槇明日香(オオマキアスカ)
職種
フリーランスインストラクター/動画編集者
業界歴
2年
Xアカウント
@marco6com
動物占い
ペガサス

今回取材するのは20・32期の大槇さん。フリーランスのインストラクターとして活動しながら、クリエイターズファクトリー(以下CF)のYouTubeチャンネルの動画編集を担当し、実際に案件も獲得している。動画編集を始めたきっかけ、動画編集の楽しさや難しさ、仕事へのこだわりについてお話を伺った。

これまでの経歴と動画編集を始めたきっかけ

CFには一度学習を修了しても別の期で学び直せる再受講制度がある。大槇さんは20期で受講したあと32期で再受講したそうだ。CFに入学するまでの経緯と、学び直しを決意した理由を聞いてみた。

20歳の時にスポーツジムでアルバイトを始め、資格を取り27歳からフリーランスのインストラクターとして働き始めました。現在はホットヨガやアクアビクス(水中で行うエアロビクス)を指導しています。
コロナウイルスが蔓延する少し前、本業以外にもできることを増やしたいと思い、Web制作を独学してみましたが挫折したんです。その後コロナウイルスが流行し、本格的に副業を始めようと考えた時、一度学習したことのあるWeb制作に再挑戦しようと思い、CFの20期として入学しました。
学び終えたものの、インストラクターの仕事がそこまで減らなかったこともありWeb制作の仕事はしていませんでした。20期で学習していた時に授業についていくのも大変だったのでもう一度学び直したいと思っていたんです。そんな時にたまたま再受講制度を知りました。すぐに申し込み、32期で再学習を始めました。

挫折を経験しても諦めずに学び直した大槇さんの姿勢は素晴らしい。多くの人は一度挫折するとそのまま諦めてしまいがちだが、大槇さんは再び挑戦する道を選んだ。その粘り強さと学びに対する熱量の高さが、動画編集で案件を獲得するまでにつながったのだろう。

諦めずに再チャレンジするその姿勢がすごいです

大槇さんは一度挫折を経験し、Web制作を再び学び直した。しかし、現在はWeb制作からはほとんど手を離れ、動画編集の道を歩んでいる。その転機となったのは、CFでの経験がきっかけだった。どのようにしてWeb制作から動画編集へとシフトしたのか、詳しく聞いてみた。

4,5年ほどCFと関わりがあったため、CFに何か貢献したい気持ちがありました。ですが、メンターなどは技術的に無理だと思っていたんです(笑)するとたまたまYouTube運用サポートの募集がありました。自分でVLOGを作ったり、日頃からYouTubeを見たりしていたので、これなら役に立てるかも!と思って立候補しました。
実は動画編集は自分から提案したんです。編集を外部の方にお願いしていることを知り、自分たちでできたほうが効率がいいし、撮影の雰囲気なども分かっているので、より良い動画にできるのではと思って提案しました。その後Premiere Proの基本的な使い方を先生に教えていただき、CFのYouTubeの動画編集に携わることになりました

実際にPremiere Proの使い方を教えていただいてからたった3,4ヶ月で12、3本もの動画を納品したという。なんというスピード感。基本的な操作だけで動画が作れるようになるのだろうかと疑問だったがやはり苦労したことも多いらしい。ツールの使い方や特殊なテロップの出し方は、やりたい表現がある度に検索し、ストックしているという。実装しながら方法を検索・模索し、自分の経験を積み上げていく様子はコーディングの学習に似ていると感じた。

CFのYouTube、見るたびに進化しているのがわかります

は、速すぎる、、、!提案力もスピードも真似できるかな!?

ところで読者のみなさんは動画ができあがる過程をご存知だろうか?普段なにげなく見ている動画も実は多くの過程を経て完成する。動画が納品されるまでの過程について教えていただいた。

まずは、音声を聞き取りやすいように調整し、必要ない部分をカットします。次に、テロップを準備するためにAIツールを使って動画内容を文字起こしして、必要のないテキストを削除します。テロップが調整できたら、サブテロップ・画面切り替えのアニメーション、SEなどの装飾を追加します。最後に視聴者の方が見やすいように動画の明るさなどを調整してエンディングを挿入します。それぞれの作業の間で都度チェックしながらブラッシュアップをしていきます。
また、テロップを削除する過程では、動画の趣旨に合わせて取捨選択したり演者の言葉をそのまま使うのではなく、より伝わりやすい内容に変えたりもします。

この作業では、どの部分をカットするか、どのように要約するかを考える必要があり、そのためには国語力やクライアントの意図を汲み取るコミュニケーション能力が求められそうだ。ただの作業として捉えていては、視聴者に伝わりやすい動画を作ることはできないだろう。難しそうだと感じたが、大槇さんにとってはそれほど苦労することはないのだそう。今まで趣味で書いていたnoteやブログで身につけた文章力と要約力がここに活きているという。

大槇さんの旅行記①(左)2024年6カ国9都市女ひとり旅・サグラダファミリア
大槇さんの旅行記②(右)2024年初タイ・ワット パークナムパーシーチャルーン

旅のVLOGとかも見てみたい!

動画編集の楽しさと難しさ

短いスパンでコンスタントに動画を納品している大槇さん。おそらく動画編集との相性が抜群に良いのだろう。彼女が考える動画編集の楽しさや難しさはどんな部分にあるのだろうか。

自分が編集した動画がアップされた時はやはり嬉しいですね。また、すごく長い素材をいい感じにカットできた時も気持ちいいです。対談系の動画はマンネリ化しやすいので、視聴者の方が見ていて飽きないようにするためにはどうしたらいいか考えながら作業に落とし込んでいくのも楽しいポイントです。そのためには表現の仕方を考える必要がありますよね。フォントの知識や見せ方など、基礎的なデザイン知識をCFで学習したので、CFでの学びが役に立っていると思います。

難しい部分はどこをどうカットするのかというところです。悩んだ時は、なんの知識もない人がその部分を見た時に意味がわかるか?を基準にしています。ただ、動画の趣旨に合わせてカットすることは難しくもあり、おもしろい部分だと感じています。

長い素材のどこをカットしどこを使うか、やってみると悩みそうですね〜

大槇さんのXを見ていると、動画がアップされる度に新しい挑戦をしていることがわかる。案件を受ける度に新しいことにチャレンジするのは大変なことではないだろうか。新しい案件を受ける時、どんなことを意識しているのだろうか。

各動画を納品する時に先生からフィードバックをいただくため、同じ指摘を受けないように意識しています。また、動画ごとに表現したい雰囲気が異なるため、それを的確に伝える方法を常に模索しています。あとは、動画の魅力を最大限に引き出すために、どのような表現が最適かを考えながら編集しています。

大槇さんが編集したある動画ではテロップを標準語ではなく、あえて関西弁にしたそうだ。そうすることで出演者の言葉の熱量がより視聴者に伝わると考えたからだ。こういう小さな工夫が一つ一つ積み重なってクオリティの高い動画が出来上がるのだろう。

関西弁、受け取りやすいのでありがたいです。笑

普段動画を見る視点も少し変わったと思います。以前はただ楽しく見ているだけでしたが、仕事をするようになってからは、文字の動かし方や作り方が気になって調べることも増えました。自分のVLOGの表現も変わりました。今までは自分が満足する動画を作ることが多かったですが、今は視聴者の方に必要のない部分は思い切ってカットすることができるようになりました。
それから、同じ言葉でも表現の方法の違いで視聴者の受け取り方が変わる可能性もあるんです。たとえば同じ「おいしい」というセリフでもSEの付け方や、フォントの種類、大きさなどでインパクトが変わります。そんなことも動画編集をするようになって気づきました。


たしかに意識的に動画を見てみると普段なにげなく見ている動画でも、様々な表現方法が使われていることに気が付く。フィールドは違えど、「視聴者やユーザーに適切に情報を伝えるためにどう表現するのか」と考えアウトプットする点はデザインと共通なのだろう。

大槇さんの旅行記③ 2023年初スコットランド・エディンバラ

仕事への向き合い方

多くの人に『どんな人と仕事をしたいか』と質問した際、一番多い回答は『コミュニケーションがちゃんと取れる人』である。大槇さんも、仕事を進める上でコミュニケーションを最も重視しているという。では、具体的にどのような点に気をつけているのだろうか。

ひとくちにコミュニケーションといっても様々ですが、特に報連相は大切にしています。Web制作や動画編集の仕事は進捗が見えづらいため、「報告しすぎかな?」と思うくらいこまめに伝えるようにしています。
それから、自分が「できること」と「できないこと」をはっきり伝えることも重要です。Web制作の仕事を受ける中で、この大切さを改めて実感しました。依頼してくれる人は、自分を「なんでもできる人」だと思うかもしれません。でも、自分自身がスキルを正しく理解し、それを相手に伝えることで誤解を防ぐことができます。
また、インストラクターの仕事では日々の会話を大切にしています。レッスンや仕事に関係ないような雑談でもお客様との距離が縮まり、それがきっかけで関係が深まることも多いんです。

大槇さんのお話を聞き、信頼関係を築くうえで「自分を開示すること」の大切さを改めて感じた。どんな相手かわからない人に対して、最初から心を開ける人は少数派だろう。だからこそ、こまめな報連相や、普段の何気ない会話が信頼の土台になるのだと思う。
実際、大槇さんは明るいエネルギーに包まれた人で、話しているだけでポジティブな気持ちになれる。「もっと話したい」と思わせる雰囲気があるのだ。知り合いから何件か仕事をもらったと聞いたが、それも安心感と、会話を通じて積み重ねた信頼が形になった結果なのだろう。

現在、大槇さんの仕事の中心はインストラクター業。しかし、動画編集の仕事も増え、少しずつ働き方のバランスが変わりつつある。これからどのようにキャリアを広げていくのか。今後の目標を聞いてみた。

動画編集の案件にどんどんチャレンジしていきたいです!今はインストラクターの仕事が8割くらいなんですけど、動画編集と半分ずつくらいにしていきたいです。あとは文章を書くのも好きなのでnoteの収益も伸ばしていきたいです!

余談だが、大槇さんが書いたタイ旅行のパッキングの記事がGoogleの検索結果で2位にランクインしたことがあるそう!2018年から継続して記事を書いていて、その数170本以上。趣味の旅行の記録として書かれているそうだ。大槇さんの目標が達成される日はそう遠くないだろう。


成功をつかむためには、スキルを磨くだけでは不十分だ。大槇さんが考える「仕事に繋げるために必要な行動」とはどのようなものだろうか。

アピールしておくことが大切だと思います!自分がやっていることをとにかく周りの人やSNSで発信しておくことでチャンスが舞い込んでくることもあると思います。CFの動画編集をしていて気づいたことでもありますが、しっかり仕事につながっている受講生はまずはたくさん行動して、それをしっかりアウトプットしている方が多いです。仕事に繋げる上では、まずは「見つけてもらう、選択肢に入れてもらう」という点でもどんどんアピールすることは大切だと思います。

実際に日々動画編集についてSNSで発信している大槇さん。Xのポートフォリオから連絡が来て、お仕事につながったという。どんなに努力していて、素晴らしいスキルがあったとしてもクライアントに見つからなければ意味がない。ひたきに努力を積み重ね、発信していける人材がチャンスを掴めるのだと感じた。

アピールが大事だとわかりつつ実際に継続して行動に移せることがすごい👏

最後に大槇さんからCF生にアドバイスをいただいた。

まず1点目は挫折する前に声を上げてほしいです。CFには、つまずいたり悩んだりしたときにしっかりサポートしてくれる先生やメンターさんが揃っています。
もう一点は、イベントやサポートなどにどんどん参加してほしいです。CFにはWeb制作だけでなく、手を挙げれば様々なことができる環境があると思います。Webデザインやコーディング以外にもやりたいことが見つかるかもしれません。ぜひ勇気を出して一歩踏み出してみてほしいです!

たしかに、CFには様々な挑戦ができる環境がある。少しの勇気で新しい可能性が広がるかもしれない。大槇さんのようにチャレンジしてみてほしい。

恥ずかしがらず悩みは先生やメンターさんに共有しましょう…!

相談するだけでモチベーション維持にも繋がりますね!

大槇さんのお話を聞き、改めて「自分から行動すること」の大切さを実感した。自らの提案で動画編集に携わる機会を得て、案件毎にスキルを積み重ね、学習したことを日々アウトプットしている大槇さん。与えられた仕事だけではなくプラスアルファの提案や行動ができるからこそ、実際の案件獲得に繋がったのだろう。この姿勢はどんな仕事をするにも必要になるはず。ぜひ見習っていこうと思う。
大槇さん、ありがとうございました!

文中で紹介した大槇さんのnote,YouTubeは以下から。どちらも旅行に行きたくなりますよ🎵
https://note.com/marc0m
https://youtube.com/@marco.c0m?si=GxIK3LkCyt86FdrF

この記事を書いた人

長谷川
HASEGAWA
CFライター部 1期生。元バリスタ。
オタク気質な好奇心旺盛人間。コーヒーと星野源が好き。

Contact

シーエスマガジンへのお問い合わせ
編集部へのメッセージなどは、各XのDMにご連絡ください。

クリエイターズファクトリー

クリエイターズファクトリーとは、
卒業なしで通学・オンラインでも学べる実践的なWebデザイン制作スクール。
転職や副業など目的別で勉強後のサポートもしています。