教えて!センパイビュー
講師 髙橋さん

Webスクールで学ぶ意義とは?
受講生への望みとスクールの今後

髙橋先生の写真
髙橋先生の写真
お名前
髙橋直通(タカハシナオミチ)
職種
Webマーケター・Webディレクター兼制作者/クリエイターズファクトリー校長
業界歴
10年
Xアカウント
@WebMarimo
動物占い
タヌキ

Webスクール「クリエイターズファクトリー(CF)」はこの方なしでは語れないだろう。デザイン・コーディング全ての授業を受け持ち、教材作成からデザインフィードバックなど、スクールの管理・運営全般を行う髙橋直通校長だ。毎日のように受講生からの質問に回答し、サポートやイベント開催のほか、次から次へと新しい教材を生み出す姿は、一体いつ休んでいるのだろうと疑問が浮かびあがるほどである。そのような教育熱心な人柄は受講生からの人望も厚く、論理的で無駄のない話し方にはわかりやすいとの定評がある。
今回は髙橋校長にスクール運営のあれこれと今後の展望について聞いてみた。

よっ校長!👏待ってました!🎊

スクール運営の経緯

髙橋校長はWeb業界に入る前は、美容師やイタリアンコックなどの様々な経歴を持つ。ずっと立ち仕事ばかりしてきたため、デスクワークに興味があったという髙橋校長。業界に入ったのは30歳のときでそれまではパソコンすら持っていなかったとか。そこから勉強をしてWeb制作会社を3社経験した後フリーとなり、Webスクール「クリエイターズファクトリー」を創設。髙橋校長はなぜWebスクールを立ち上げたようと考えたのか。

初めから業界のいいことも悪い事も伝えてくれてたので、この人信頼できる人だ!って

さまざまな経歴を持っててすごい

自分ができることを分析した結果、会社員時代によく人に教える仕事をしていたなと。当時は自分から進んで教えていたというより、その役割を人から任命されることが多かったんです。ということは、向いてるんじゃないかと思いました。
スクールをやろうと思ったのは、そういった自己分析の結果と、人に教えるのが好きだったからです。

今年で業界10年目になるという髙橋校長だが、改めて自分はプレイヤーではないと実感したという。人と話すことやサポートすることが好きだから、自分は橋渡しをするハブの役目をすることを望んでいるそうだ。
「プレイヤー」と、「プレイヤーを育成する人」は、役割や求められる技術が違う。たとえば、ゴルフのコーチは、選手よりもゴルフが上手いとは限らない。その代わり「教えること」に特化し、客観的な視点でその人にアドバイスできたり、いろんな道筋を示すことができる。

ところで、起業してスクール運営とはなかなか大胆な行動力だと思うが、最初のころはどうやって集客などを行っていたのだろうか。

会社員を3年した後、Web業界に入りたい人向けに情報提供や支援をするセミナーを開いてました。今のCFの走りです。昔は今のように情報があまりなく、一人で調べるだけではわからないことも多かった。
当時はWordPressとかで発信するのが流行ってて、セミナーの集客もブログでしていました。ブログを初めて割とすぐ、ある記事を書いたときにちょっとバズったことがあって。それはWebとは全然関係ない記事だったんだけど、需要があるものをやれば人って集まるんだと実感したんです。こういうことか〜って感じました。ブログは良い経験で、今のSEOやマーケティングの土台となっています

自分でブログを運営するのもSEOの勉強になるのですね。

今はむしろ何から手をつけたらいいかわからないくらい情報が充実してるけど、当時は勉強法も限られており、学んだことはすぐ実践していたという。髙橋校長いわく、少しでも「楽しい」と思えることが重要だそうで、こうした早めの成功体験があったから次へと繋げることができたそうだ。そう考えると、勉強にいつまでも時間をかけるより、アウトプットしていくことがいかに大切かわかるだろう。

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教室で受講生にアドバイスする髙橋校長

スクール運営の楽しさ・難しさ

スクール運営は会社経営とはまた違った楽しさや難しさがありそうだが、その辺りをもう少し掘り下げていこうと思う。

楽しいところは、人材育成に近いことをしていて、いろんな人の成長に立ち会えるところ自分が教えたことが影響したり、生き方の核に迫るような話をしたりすると、貴重な体験をさせてもらっているなと。
自分は「教えさせてもらっている」という意識なので、人に教えることでモチベーションになったり、自分の学びや成長にもなる。一人だとサボってしまうけど、ちゃんとしようってなります。

教育現場ではその人のよりパーソナルな部分にも触れる機会も多い。転職や独立など、その人の人生の分岐点に立ち会えていることにやりがいを感じるという。「人に教えること」は学習や理解の最上級でもある。教える立場になると、もっと知識を得よう、勉強しようとなるのだ。「情は人のためならず」というが、教える側は、与えているように見えて結局自分へ返ってくる。

難しいところは、相手は人なので、理解するのが難しいことです。今はフラットに考えられるようになりましたが、以前は人の浮き沈みに気持ちが引っ張られてしまうこともありました。その人のことを全て理解しようとするとだいたい上手くいかず、今は皆を挫折させなようにというおこがましい気持ちは捨てることにしました。

人の心はわからない。最初はあんなふうに意気込んでいたのに、いつの間にかフェードアウトしていまう…なんてこともざらである。人を変えようとすると辛いから、自分の心持ちや捉え方を変えて、自分のできる精一杯をするしかない。
ライターであるシロクマは前職で学校教員をしていたが、とんでもなく反抗的だった生徒から、成人して再会したら感謝されることもあった。「気づく」タイミングは人それぞれで、実はその瞬間離れたとしても、力及ばずだったわけではない。教育はすぐに結果が出ないことがときにしんどく、ときにおもしろい点だと思う。

髙橋先生の写真
シーエスマガジン制作部と髙橋校長

独学かスクールか、スクールに通うメリットとは

スクールに通うメリットは、カリキュラムがあるので体系立てて学べるところです。それと一緒にやる仲間がいたり、環境面に恵まれているところでしょうか。Webの勉強といっても今はやることが多すぎるので迷う人もいると思うんですけど、趣旨を選択できるから、無駄や挫折を減らせると思います。独学だと学んでいくうちに壁もいっぱいあるけど、スクールだとそれをカバーすることができます。
業界にいる先輩陣からのアドバイスももらえるし。だから、お金面や時間に制限がない人ならいったん試してみる方がいいと思います。

CFに通う前に少しだけ独学で勉強していたのですが、挫折した経験があります…

まず何からすればいいか悩んでる時間が割と無駄で、スクールに入れば勉強の道筋を示してくれる。特にWebデザインは、他者からのフィードバックが必要不可欠だ。私自身、スクールに通ったおかげで、一人では絶対辿りつかないであろうことにもたくさん挑戦でき、共に学ぶ仲間もたくさんできた。逆に、未経験から独学でWebデザイナーになった人って、本当にすごいなと思う。自分だったら絶対無理だ。

スクールに興味はあるけど、どういう基準で選べばいいかわからない人もいるだろう。髙橋校長によると、いいスクールの見分け方は、きちんとした公式サイトがあって、受講生の制作物や記事、コメントが載っていることだそうだ。就活での会社選びも同じことがいえるが、内部の情報が不透明で、たまに見るSNS上にしか存在しないようなスクールはちょっと怪しいかも。

クリエイターズファクトリー(CF)の強みとは

CFは卒業がなく、無期限サポートをしているところが強みです。質問内容やフィードバックの制限もないし、授業も対面・オンライン・ハイブリットがあって、再受講も無料で何回でもできます。他には、講師陣の経験年数が高く、ちゃんと業界経験があるところです。
たまに、カリキュラム内容のことしか教えないスクールがあったり、「卒業なし」と掲げつつ、蓋を開けてみるとサブスクだったという話も聞いたことがありますが、うちは受講生ができるまで挫折しないための環境を整えています。

社会人しながらの勉強なので、卒業がない制度は本当にありがたいです。

最初卒業がないスクールってどういうこと?と思ったけど、無期限サポートをしてくれるということだ。CFでは授業以外に、個人のお仕事の相談や、おすすめのキーボードなど、少し本編から逸れたことでも、質問を投げかけたら回答が返ってくる。
また、「torikumu」というCFの独自教材には700点以上の動画が載っており、イベントのアーカイブが見放題だ。それに加えて次々と新しい教材も入ってくるから、やろうと思えばいくらでも勉強できるのである。

いい意味で自由度が高い。だからこそこのコラムサイトを作ることができました!

個人的には、CFでは授業の集大成として「チーム制作」があり、これが強みの一つではないかと考えている。チーム制作を行っているのは何のためか。

実際の仕事はチームですることが多く、チームだと一人でできないことができるんですよね。初期段階から最終的にそこまでできるんだ、と受講生さんに感じてほしいです。それが独学ではなくスクールの強みだとも思っています。
コードがきれいに書けるとかも大事だけど、それ以前の人との付き合いやコミュニケーションも大事なので。チーム制作をすると、普段の授業や課題ではあまり振るわなかった人が、急にめきめきと実力が伸びたりするんです。

どのみち会社に入ると、一人でもくもく仕事している方が少ない。チーム制作では他の人との連帯責任が生まれるため、自身の能力を限界突破するきっかけとなる。1+1=2ではなく、1+1=10などの相乗効果を発揮するのである。個人的に転職を希望する人はチーム制作を経験することをおすすめしたい。

髙橋先生の写真
左の写真は髙橋校長が週に1度通うカフェで。右の写真は愛犬ネーブルと自宅にて

新しい技術の取り入れ方

次々と新しいものが出てくるWeb業界。スクールもそれについていかなければならないが、髙橋校長は新しい情報やトレンド技術をどのように仕入れているのだろうか。

Xが中心ですね。XはWeb系の人が多く、忖度してない感じがします。新しいことを調べるといっても、知らないことはそもそも調べられないから、フォローしてるWeb系の人から流行りの技術やワードを知ります。
まず調べて概要をおさえ、今すぐ必要でないものはいったん頭の倉庫にしまっておいて、必要になったときに取り出します。今これが必要な時期だとわかるのは、圧倒的に目にする量が増えるときです。そうして需要が高まってくると他のスクールより少し早めに講座やテキストを作ります。

やはりWeb業界はXのイメージは強い。Xではタイムリーなつぶやきが見れるので、Web関連の人をフォローしておけば自然と情報が流れてくる。この業界ならではだと感じているのが、書籍だとどうしても出版に時間がかかるり、むしろSNSが一番情報を得るのに早いのである。情報が玉石混交だから見極めは必要だけど。

動物占いについて

話がやや反れるかもしれないが、髙橋校長といえば動物占いを何かと推しており、CFでも時折活用しているのを見かける。実はシーエスマガジンの記事で紹介プロフィールに動物占いを入れたのも、髙橋校長に寄せたからである。髙橋校長に動物占いが好きな理由を聞いてみた。

「動物占い」という言葉の聞こえが悪いかもしれませんが、性格診断的なものだと捉えています。それを信じるとか信じないとかではなく、相手を理解する上での、一つのものの見方として取り入れています。
以前は初対面の人と話すのに少し抵抗がありました。何を考えているかわかりづらい人でも、ステータスがわかったら親近感がわくじゃないですか。動物占いを知ってからは「この人はこの動物だから、こういうタイプなんだ」と、自分の中に落とし込むことができて、気持ちが楽になったんです。割り切り材料というか。

「占い」というよりも、一つの理解の材料として取り入れているそうだ。他者を理解するのが難しいとき、そういう属性なんだって思えることに助けられる。動物占いなんて信じてなかったが、こう聞くと納得することができた。私もこれから人間的に合わない人は一度生年月日を聞いて動物占いを見てみようと思う。

髙橋校長が思う、転職を成功させる人

素直で真面目に取り組める人です。転職まである程度道筋は決まってると思うので、目標に対してちゃんと向き合えるかどうかが重要だと思います。相談に乗ってると、変えたいけどなかなか自分を変えられない人が多くて。高い水準じゃなくても、自分のコントロールが上手くできるのも大事だと思います。
仕事は向いてる向いてないかではなく、続けられるかどうかが肝心だと思います。デザイン下手くそでずっと10年やってる人っていないと思うんですよね。やればやるほど返ってくるから。1分でも10分でもやれば必ず伸びるし、ゼロには戻らない。まとめると「継続できる人」ともいえます。

継続できるために、毎日少しでも勉強するように習慣をつけておこう。

私のことになるが前職学校教員であったとき「向いてない向いてない」としょっちゅう思いながら気づいたら約10年やってたのを思い出した。人間、続けているとそれなりに板についてくるものである。上手くいってない人は、まだ慣れてないだけかもしれない。成長スピードは人それぞれ違うから、上手くいってる人を見るとつい焦ってしまうけど、人と比較せず、淡々と目標に向かって進むだけ。

続けてたら段々自分が仕事に向いて行ったりしますよね

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講師やメンターさんと話す髙橋校長

この頃ちょっとチャラいな(笑)

受講生への想い

数年前から受講生さんの価値観も多種多様なになってきて、何が何でも仕事にするというのではなく、趣味やスキルアップで来られる方もいます。回り道してもいいし、仕事にしなくてもいい。選択肢を増やしたり、教養を身につける感じでもっとラフに学んでほしいです。
そうして勉強を始めたなら、ぜひ最後まで完走してほしい。途中で思うようにならないと投げ出してしう人もいますが、休みが多くても、理解が浅くてもいいから、いったん「気にせず」最後までこなしてください。
そうすれば、先に繋がる可能性はグッと上がります。中途半端な終わり方をしてしまうと、「できなかった」という負債が残ってしまい、人生の心残りにもなると思う。周りの手を借りつつ一回本当にやってみて、未来の自分へ何かを託してください

昔は勉強は好きではないタイプでしたが、授業を完走したことで、自信に繋がりました。

完璧主義や頭でっかちにならず、5か月間の授業だけでもなんとか最後までやり切ることが大切だ。上手い下手とかではなくて、「やり切った」という実績は意外と大きい。その後少しWebの勉強から離れていても、最後までやれた人は、ふと再開したいと思ったらまた帰って来やすい。
しかし、もし何らかの事情で途中で挫折しまった人でも大丈夫。CFの再受講制度を利用して、しれっと勉強を再開すればいい。そのための卒業がないスクールである。先生たちは再び学ぶ意欲のある人はウェルカムに迎えてくれるだろう。

スクール運営の今後

スクール自体を盤石にして、Webに限らず、会計・法律・キャリアなど何でもいいから大人の人が気軽に、短期で実践的に学べる場ができたらいいなと考えています。

専門学校みたいな感じですか?

それよりもライトで、大人が総合的に学べるような場所がいいです。もっと勉強する人が増えてもいいと思うんです。自分も勉強して人生変わったから、より多くの人が勉強をして、何かのきっかけとなる場を提供したい。チョコザップと考え方が似ているかもしれません。自己実現を気軽に叶える場所。

大人の人が、気軽に勉強できる場を提供したいという髙橋校長。髙橋校長自身、昔はなんとなくでしか生きてなかったけど、一度本気で勉強したことで人生が180度変わったという。今後はWebだけだはなく幅広い分野の学びの場を展開していくのだろうか。

大人になってからの勉強は、もっと自分の興味のあることや、好きなことができる。学んでいく中で新しい自分を発見したり、これまでの人生では関わることのなかった人たちとか交流できたり、視野が広がっていく。「勉強」と聞くとなんだか言葉に重みがあるが、自分の選択肢を増やし、より豊かな人生を送るための武器だと考えると、気が楽かもしれない。

髙橋校長、ありがとうございました!

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この記事を書いた人

シロクマ
SHIROKUMA
クリエイターズファクトリー35期生。ガリ勉部部長、大体顔見知り。
お好み焼きとシロクマが好き。Webデザイナー目指して転職活動中。

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転職や副業など目的別で勉強後のサポートもしています。